2014/02/19

続々と新サイトがリリース!インドネシアで加熱するファッションEコマース


[Credit: ETCLOより]
ここ最近、東南アジア各国で展開するファッションコマースZaloraReebonzに負けじと、インドネシアでもクオリティの高いファッションECサイトが数々登場しつつあります。


アジアといっても各地域ごとに人口構造や文化、決済・物流インフラの成熟度に大きな違いがあるため一概には言えませんが、経済的に余裕の出てきた中間層がファッションにお金を使い始めるというのは一般的な流れです。
以前「【統計】今後数年間に起こる、インドネシア/タイ/フィリピンの中間層の勃興」でも取り上げましたが、インドネシア単体だけで2020年までに中間層が8500万人増えると言われているので、東南アジアのファッションECの分野で、インドネシアが今後最も可能性がある国と言えるかもしれません。
中流階級層の推移(単位は100万人、 TH:タイ、PH:フィリピン、TH:タイ)[引用]

それでは、インドネシアのファッションECサイトをまとめてみます。


1. BERRYBENKA
この中で最も老舗のBerrybenkaは、女性向けファッションコマース。
シード資金をEast Venturesから調達し、2012年にスタート。2013年1月に非公開額をGREE Ventuers、12月に500万ドルをトランスコスモスから資金調達している。
2013年9月時点で、400のブランドを扱い、1日に400から500の注文があるようです。
創業者のJason Lamudaは現Groupon Indonesiaの前身となったDisdus.comを創業し、Exitしたシリアルアントレプレナー。


2. ETCLO

ETCLOは2014年1月にリリースされたばかり。原宿にあってもおかしくないような、若年層向けのデザイン性の高いアイテムを展開する30の国内外ブランドを扱っている。サイトデザインといい、かなりブランディングに気を使っている印象。
コーディネート例が示されたスナップを閲覧出来るLOOKBOOKというページがあり、ユーザーはそのスナップ上からも気に入ったアイテムを購入できる。
創業チームは4名で、そのうちYang Yang Tantono氏は飲食店チェーンを展開するを起業家で、国内の大規模ファッションイベントにも関わっていた人物。今年中に独自のファッションブランドを展開することも予定しているという。外部の出資者がいるかは不明。


3. VIP Plaza

VIP Plazaはブランド商品に特化した会員制フラッシュセールサイト。(詳しくは前回の記事参照)CyberAgent Venturesが出資し、2014年2月にリリースされています。
立ち上げたのは元楽天インドネシアのTesong Kim氏。サイトは現在Levi's、GUESSなど15のブランドを扱っており、年内に取り扱いブランド数300を目指しているとのこと。


4. BrandClozet

上記のVIP Plazaの競合にあたるのが、BrandClozet。2014年2月に公開されたばかりのこのサイトも会員制のブランド品のフラッシュセールを行っています。
サイトには欧米人のモデルのみを起用し、現在は6ブランドから購入可能。
ファウンダーはインドネシア人のDetty Wulandari氏で、2012年からファッションブランドの在庫処分品フラッシュセールサイトFazzioneを運営していた人物。


Shopiousはこの中では少し異質で、インスタグラム上のファッション商品売買のアグリゲーションサイト。
インスタグラムで売買?と思うかもしれないが東南アジアではかなりメジャーな簡易ECツールとして使われていて、インドネシアだけで50万もの「InstaSeller」が存在するという。
販売者は月額で課金するモデルで、写真投稿10ポストにつき約$3、20ポストにつき$4の利用料を支払う。ユーザーから実際にリアクションがあるまでは無料で掲載出来る。
実は以前ShopiousはC2Cのマーケットプレイスとしてリリースされていました。今月このモデルにピボットしたばかりですが、現在1000の販売者が登録しており、そのうち課金販売者は100ほど、1万以上の商品写真がポストされています。


おまけ

シンガポールの郵便事業会社SingPostのEC事業部門SP eCommerceが2013年6月に発表したデータですが、2007年から2012年の間のアジアのEコマース市場で、アパレル分野が最も成長したセグメントでした。

また、アジアのEC小売り市場全体で見たときでも、2017年までに北米と比べ約1.5倍の速度で成長すると見られています。


参考

人気の記事