CyberAgent Venturesさん主催のRising Expo東南アジアラウンドに参加させて頂くため、今朝ジャカルタに到着しましたオビナタです。
機内であまり眠れなかったので、ここ最近気になっていたソフトバンクの東南アジアでの投資活動についてまとめてみました。
先週、ソフトバンクがフィリピンに新ファンドを設立し、$20M以上の出資を行う予定であるとTech in Asiaが報じました。
このフィリピンでの新ファンドは、ソフトバンクチャイナが2011年にインドのBodhi Fundと共同で出資したIP Venturesと共同で設立され、IP VenturesのCEOとソフトバンクからの4名の計5名体制で運用されるよう。ソフトバンクからのメンバーの中には日本人のNiki Katsumasa氏の名前もあります。
主にEC、デジタルメディア、決済、アドテク、クラウドをキーワードにグロースステージのスタートアップ投資を狙いつつ、フィリピン国内のコンシューマー文化の早い成長に対応するような小売りや飲食関連のビジネスにも関心を持って動いていく模様。
この動きはフィリピンだけではない。
ソフトバンクは今年5月にも、インドネシアでIndosatとTrikomselとジョイントで$50M規模のファンド"SB ISAT"の新規設立を発表し、国内グロース・ステージのスタートアップへの投資をしていくとしている。
東南アジア諸国の中でも、人口ボリュームが確実に増えていくインドネシアとフィリピン2国に絞ったファンド設立は理にかなっています。
インドネシアとフィリピンでのファンド設立以前にも、東南アジアへの投資活動はSoftbank Ventures Koreaから以下の2件ほど行っています。
中でも、ソフトバンク初めての東南アジア出資案件となったTokopediaはビジネスモデル的にもアリババの運営するタオバオと類似している。
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| Tokopediaファウンダー/CEOのWilliam Tanuwijaya氏 |
以前記事で取りあげたファウンダーのWilliam氏自身も、Jack Maをロールモデルとして尊敬しており、良くジャックマーのスピーチをあさったり、タオバオの成功までの軌跡を調べ尽くしていたという。事実、タオバオが初期に行っていた戦略である売り手の完全無料制度や、商品を実際に受け取らなければ決済が完了しないエスクロー制度をTokopediaは取り入れている。
2013年にTech in Asiaが行ったインタビューの中では以下のように語っている。
We learned from Jack Ma that small is beautiful and we also believe in the power of individuals and small medium enterprises (SMEs) in Indonesia. We learned that Taobao really focuses on solving problems – which are trust and efficiency in the Chinese market. When we started our company, the e-commerce ecosystem was non-existent [in Indonesia], and we thought if no one starts to build a proper e-commerce ecosystem, then it will never improve.
ジャックマーから学んだ事は、「スモールである事の美しさ」であり、同時に僕らはインドネシアの人々と中小事業者のパワーを信じている。タオバオは中国の市場における課題であった信頼と効率性にフォーカスして解決に取り組んでいた。僕らがTokopediaを始めたとき、この国にはECのエコシステムなんてものは存在しなかった。もし誰も始めなければ、この国のEコマース環境はいつまで経っても改善されないと思ったんだ。
引用: How Tokopedia is Building Indonesia’s Taobao
「アジアのウォーレン・バフェット」とも評される、未来を見通した投資を行ってきた孫正義氏率いるソフトバンク。東南アジアでの今後の動きにも特に注目です。
参考：
http://www.techinasia.com/softbank-invest-20-million-startups-philippines/
http://www.techinasia.com/indosat-partners-softbank-launch-50m-fund-indonesia/
